間違いだらけのクトゥルフ神話TRPG 感想

間違いだらけのクトゥルフ神話TRPG オススメ度:5

展開

まずは一言。よくぞ完結させてくれました! 全39話と話数で言えばゆっくり妖夢よりも長く、しかも関連動画も含めれば総動画数は40を超える。これだけの長編作品を完結させてくれた作者(リアル童貞の人)に、まずは感謝と賞賛を送りたい。

作者が「渡る世間は鬼ばかり」が大好きだと公言しているのもあって、進行はRP8割・卓描写2割と、かなり吟遊寄りの作品。誰が呼んだか別名「渡鬼卓」である。しかしところどころに小ネタが挟まってこれが「TRPGリプレイ」であることを繰り返し認知させる仕組みになっており、他のTRPG動画によくある「途中からTRPGなのかなんなのか分からなくなる」現象が回避されている。上手くできていると思う。

またこれは『ゆっくり妖夢』でも感じたけど、天才キャラ(孔明や竜崎)を出すってのは作者の自信の表れだよねぇ。作者自身が天才でないとしても、少なくとも視聴者を説得しきる自信を持って出しているわけだから。「ぼくにはとてもできない」。

ストーリー

ストーリーはオーソドックスなクトゥルフ。山を拠点とする神話生物とそれを信望する教団を倒そう、というのが概略である。根幹部分にオリジナリティはあまり感じられないが、この作者の凄まじい点は驚くほど多くのサイドストーリーを付け加える点だ。キャラクターの生い立ち・キャラクター同士の関係性など、設定がどんどんと生えていく。このあたりにプレイヤーやキーパーが翻弄されるのを観るのもこの動画の醍醐味である。

総括

この動画で最も評価したいポイントは、キャラクターたちが本当に楽しそうにプレイしている点である。最初から最後まで和やかな雰囲気で、殺伐とした感じがほとんど無い。安心して観られる作品になっているし、観ているこっちも楽しくなってくる作品となっている。

僕がテイルズと北斗を知らないので、小ネタの多くを取りこぼしてしまっているだろうことが残念だ。逆にそんな知識が無い人でも満足できるほどに魅力的な作品であり、知識のある人にとっては僕以上に楽しめる作品となるだろう。文句なしでオススメ度5としたい。

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